空港のレストラン   (全文) NEXT ダブリンのタクシー
  

3階のレストランの入り口に来た。トレ−、ス−プ皿など食器類が置かれてる。半セルフサ−ビス式で、最初のコーナーはスープ類がある。大きなアルミ鍋がコンロの上に置かれている。1カップ90ペニ−のレギュラ−を一杯トレーの上に置いた。次は、透明の大きなプラスチック製容器がワゴンに載っている。中は5区画二列のステンレス製の容器に区分けされ、10種類の野菜やサラダが入っている。日本では高値の黄色や赤のパプリカの輪切がある。野菜サラダとポテトサラダを皿に盛った。奥に進むと、メインデッシュで鳥肉や牛肉の「出来立て料理」が並んでいる。ここだけは、二人の男性店員が客の応対をしている。奥の厨房で、数人のコックが料理している。出来立ての料理がそこから運ばれている。5〜6人の客が順番を待っている。おいしそうだが何も買わずに最後のコ−ナ−に進んだ。パンを皿に盛り飲み物コ−ナ−でギネスを探したがハイニッケンしかない。レジを打っている2人の若い女店員の表情は明るい。彼女に「ギネスはないか」と尋ねたら、「ハイニッケンしかありません」と言った。330mlビン2本を持ってくると、彼女はレジ横から栓抜きを取り出して「シュポン、シュポン」と手際よく詮を抜いてくれた。
 レジを通過し重たくなったトレ−を持って奥に行った。ビ−ル1本、2ポンド25ペニ−(約400円)と少々割高だ。全部で9ポンド50ペニ−なのでサラダやパンは安い。空席に座ると、向かいのテ−ブルで家族連れが食事をしていた。6歳ぐらいの男の子の横にパパが、4歳位の女の子の横にママが座っている。子供には気をかけず夫婦は話をしながら食事をしている。女の子は静かに食事をしていたが、暇をもて遊んでいた男の子と目が会ってしまった。夫婦が話に花を咲かせていたので、僕はその男の子に「ニヤッ」と笑ってやった。そうすると、男の子が「クス、クス」と僕の顔を見ながら笑った。それに気づいた女の子にも、「ニヤッ」と笑ってやった。そしたら、二人が体を揺すって笑い出した。父親の方が気づいて「静かにしなさい」と男の子の頭を撫でながら、僕の方を見て笑っていた。

 食事を済ませ2階に降りた。奥に本屋、土産店などの小さい専門店が数軒並んでいる。本屋はけっこう立ち読みしている。1階に降りるとロビ−は日曜日の為に混雑している。正面玄関の向こう側に暗くなった道路が見えている。ヘッドライトを点灯したタクシーが次々と通り過ぎていく。アンナ夫人に電話をしようと思い、マクドナルド横の公衆電話機コーナーに向かった。壁際に5〜6台の公衆電話が一列に並んでいる。電話はよく使われていて時々待たねばならない。ここでも携帯電話の姿はない。電話機は全てプッシュ式でコイン式とテレホンカ−ド併用式がある。テレホンカードで電話をかけた。すぐに彼女が応答してくれた。「9時半頃に帰ります」と伝えた。発着ロビーが混雑している。バスの時刻表を見ると、ダブリン市街からスウォ−ド行きバスは真夜中迄ある(便は少なくなる)。8時半を過ぎている、バスに乗ろうか迷ったがタクシ−に乗ることにした。空港ビル正面ドアーから外に出た。

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